映画
1930年代にはじめてボリビアで映画製作が行なわれましたが、ボリビア映画において特筆すべきは「ウカマウ」の活動でしょう。ホルへ・サンヒネス監督を中心に1960年代より活動を開始し、ボリビアの過半数を占める先住民が主人公の作品を世に送り出してきました。その作品の数々は社会的、政治的メッセージの強いものも多く、メンバーは亡命を余儀なくされたこともありました。日本では太田昌国氏らによる自主上映が精力的に行なわれ、2008年にはセルバンテス文化センター東京にて全作品特別上映会も行なわれました。
美術
アンデス地方において植民地時代以前に立体的な偶像や、織物などに施された抽象的な視覚文化はあったものの、ヨーロッパ文化がもたらした物語画や人物描写は新しくまた影響力のあるものでした。しかし支配する側の考える美術の振興は、キリスト教布教のためのものであり、また故郷と同じ環境を持ち込むためのものでした。そのためボリビアの国民的な画家を輩出しつつも、1825年の独立まで支配的な様相を呈していました。独立後はそれまでの美術が時代遅れのものとされ、20世紀に入ってからはボリビアの民族的な情景を描く画家もあらわれるようになりました。
建築
ボリビアの都市はヨーロッパ同様碁盤の目の街並みで、それらは植民地都市としてスペイン人が建設したものです。中心に広場がおかれ、それに面してキリスト教聖堂がおかれる形式は、先住民が多く住む村にも用いられ現在も変わらず同じ形式の集落が見られます。国内に点在する代表的な建築物はスペインやヨーロッパ様式のもので、20世紀に入ってからティワナク遺跡をモチーフにした建築などボリビアのアイデンティティを投入したものも見られるようになりました。一方、農村ではアドベと呼ばれる手作りの日干しレンガを使った家々が今でも並んでいます。
文学
インカ帝国は驚愕するほどの高度な文明国でしたが、文字をもつことはありませんでした。しかし、先住民たちは口伝えに多くを受け継ぎ、ごく最近まで語り伝えられてきた神話や伝説など多数あります。植民地化が進むと、いわゆる文学者が生まれ、歴史や物語、戯曲、詩などが出版されるようになりました。現代作家の代表として国際的評価も高いペドロ・シモセやエドムンド・パス・ソルダンなどがあげられますが、一般向けの文芸批評などの少ないボリビアにおいてインターネットの普及とともにその状況が変わりつつあるところです。
織物
ボリビアでは数百もの村で独自の柄や色合いの織物を織り、それがさながら村人としてのアイデンティティを表し、古くはそれがパスポートのような働きもしていました。ですから柄といい色といい多種多様であると同時に、一枚一枚手作りであり、その土地から授かった天然の草木の手染めであるということを踏まえると、その織物一枚がこの世にふたつとない人の想いと大地の恵みのこもったものと言えるでしょう。実際にこうした織物を再利用した品々は高価なものが多く、アートとして高く評価されているものもあります。
音楽
ボリビアで音楽といえばフォルクローレが有名で、ボリビアフォルクローレとしてひとつのジャンルを築き上げているといっても過言ではありません。人が集まればフォルクローレが流れ、タクシーやバスに乗っても頻繁に耳にするのはフォルクローレです。ですが、決してそれだけではなくサルサやコロンビア生まれのクンビアはとても人気がありますし、ロックやタンゴ、ジャズなども広く聴かれます。欧米のヒットチャートを賑わすような音楽も流入しています。
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